ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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突然の雨が降って、夏の終わり

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起床。驚くほどの早起き。
それにはもちろん訳があって、昨晩は仕事が終わってから急いで新幹線に乗って帰省。バンドの練習をして深夜一時に帰宅。そして驚くほどの早起きをしてまた新幹線に乗って仕事へ向かうというスケジュール。まるで売れっ子の芸人みたいなタイトさ。当然のように眠くてボンヤリしながら出勤。
バンドの練習に新幹線で通ってる事に対して、会社の同僚から「物好きだねぇ」と言われる。物好き、か。確かにそうかもしれない。というか、そもそも物好きじゃなきゃ27歳でロックバンドなんてやってない。



午後、社内連絡のメールにある人事異動一覧の中に先輩の名前を見つける。異動先は「人事部預かり」で、うちの会社でのそれは休職を意味してる。 やっぱりそうなったか、と思う。
その先輩には入社一年目のときにお世話になっていて、その後も直接会う機会は減ってしまったけれど、ときたまメールのやり取りなんかはしていた。それは僕が転勤したここ一年でも変わらずで「そっちは大雨みたいだけれど大丈夫?」みたいな本当に些細なメールを送ってくれる優しい人だった。それが去年の暮れぐらいだったか、風の噂でその先輩が鬱で仕事を休みがちになっているということを聞いた。それでも先輩から来るメールには僕の体を気遣うばかりで自分が鬱になっているなんてことは当然だけれど書かれていなかったし、風の噂を鵜呑みにして「鬱で仕事休んでるらしいですね。大丈夫ですか?」なんてメールを送る勇気もなかった。
それが、今回ついに休職。噂は本当だった訳だ。メールを送るにはちょうど良いタイミングだけれど、どうしたものか良い言葉が思いつかない。鬱で休職する30代女性にかける言葉を僕は知らない。言葉って難しいなと思う。




夕方、突然の土砂降り。
夏の終わり、雨が降るとつい、はっぴいえんどの「夏なんです」を口ずさんでしまう。「夏は通り雨と一緒に連れ立っていってしまうのです」というフレーズ。これはきっと、夏の終わりあるある。


キリンジのカバーも素敵。

Yuckもカバーしてるけれど、選曲も音も意外すぎてもはやこれはYuckではない。

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夏が終わる前に、と思い、焼いたけれど観ていなかったDVD-Rをダンボールから漁りだして鑑賞。
「あの夏の子供たち」

あの夏の子供たち [DVD]

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09年のフランス映画。監督が20代の女性でビックリ。

僕も多くの人と同じようにハリウッド映画を観て育っているから、フランス映画やヨーロッパの映画はあまり観た事がないけれど、中高生の頃に観た映画の中で印象が強く残ってて、今になっても見返したいと思うものの多くはヨーロッパ映画だったりする。「黒猫、白猫」「猫が行方不明」なんかが今、凄く見返したい。いや、これは「猫」がタイトルに入っているから印象が強かっただけなのか。

ちなみに僕の中で「猫」がタイトルに入っている映画ナンバーワンはペルシャ猫を誰も知らない
ペルシャ猫を誰も知らない [DVD]

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二年くらい前に映画館で観たんだっけか。凄く良かった。この映画で初めて知ったのだけれど、イランではロックやポップミュージックは国の統制下にあるそうだ。だから気軽に楽しんだり演奏はできないし、下手をすると逮捕されてしまう。そんな状況の中、いつか国を出て音楽をやる事を夢に、アンダーグラウンドでロックをやる若者たちを描いた映画。少しネタバレになるけれど、この映画は決してハッピーエンドじゃない。それがまた胸にぐっとくる。