ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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自分の中に大切だと思えるものがあるのなら、それは何としてでも守らなきゃいけない。
(迷惑さえかけなければ他人がどう思うかはさして重要じゃない)

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ちょっと海まで散歩。 という距離に海はない。
それでも僕の住むこの街は海に面しているから十数キロ南下すれば一応海には出るのだけれど、そこは貿易港で僕の求めるビーチとはかけ離れたもの。僕の求める海までは電車で数十分揺られる必要がある。
傷心すると海へ行きたがる人は多い。でも僕の場合はそんなの関係がなくて、自分はただ海に行きたいから行く。無理に理由をつけるならきっと大きい物が好きだからとか、そんな理由になると思う。僕がガスタンクや入道雲に惹かれるのもきっと同じ理由で、自分の力じゃどうにも出来ない圧倒的な大きさに魅力を感じてしまう。だからこのくらいの時期の海は良い。もう冬は終わったとはいえ春先の平日、浜辺に人影はほとんどなくて、海はただひたすらに大きく、自分の無力さを感じるには充分過ぎるほどの尊厳を持っている。声はすぐに波と風の音にかき消される。自分の力がゼロになる感覚。リセットされる感覚。