ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

ローカルなCMの話だけど。

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先日、テレビを見ていたらこんな内容のCMが流れてきた。
まず映っているのは何処かの国の葡萄農園。どうやら日本じゃない。その農園で農家の人がただひたすらに葡萄を摘む映像。それが10秒くらい続いて、最後は農園のおっさんが笑顔で笑ってる映像で終わる。
これだけを話したら大体の人は葡萄ジュースか何かのCMだと思うかもしれないけれど、実際はぜんぜん違う。
まぁ、映像だけでは何の宣伝か分からないCMなんて山ほどあって、このCMもその類のもの。だから、この手のCMはナレーションが大事になってくる。このCMにはこんなナレーションがついていた。
「出会い、ふれあい、人の優しさが笑顔を実らせています。あなたにあえてありがとう。笑顔に帰ろう。私達は○○グループです。」
会社名を出されたらさすがに何のCMかは分かるけれど、正直、最後の会社名が出るまではさっぱり分からない。ちなみに、この会社はパチンコの会社だ。葡萄農園のおっさんを映しながら「私達は○○グループです」。これじゃ分かるはずがない。
これを見ただけじゃ、僕の中では葡萄農園とパチンコの関連がうまいことリンクしないのだけど、それは僕だけの話で普通の人は納得してこのCMを見ているのかもしれない。と思って、この会社のHPを見て見てみたのだけど、結局パチンコと葡萄農園の関係、そして葡萄農園のおっさんを映しながら「私達は○○グループです」と言っている理由はさっぱり分からなかった。僕なりの結論では、きっとそこに理由なんてない。
通常CMというのは与えられた15秒(または30秒だったり60秒だったり)の間、自分の‘売り’を提示することに終始するものだ。車のCMだったらデザインや燃費の良さをアピールするし、番宣だったらその番組がどれだけ面白いかを伝えようとする。通常はそうなのだけれど、この○○グループは自分のアピールポイントが見つけられなかったんじゃないかと、僕はそう思ってる。だってパチンコだ。いくらなんでも「ギャンブルは楽しいぜ」なんて言えない。そこで○○グループがとったのは、ちょっとせこい(?)方法で、「笑顔に戻ろう」と当たり障りのないことを言い、いかにも健全そうな葡萄農園の映像を流す。それで自社のイメージを良くする。普通に考えたらギャグみたいな方法。でもまかり通ってる。
じゃあ、なんでまかり通ってしまうかって考えると、結局、あのCMを見ても「パチンコに何故ブドウ?」と思わない人も沢山いるからだ。別にそれが悪いなんて言う気はないけれど、どうしても人は軽い気持ちでCMを眺めてしまっていて、それは危険なことに繋がってしまう。つまり、そのことにつけ込んでギャンブルを洗脳まがいなCMで売り込む人がでてくるってこと。これは宜しくないことだと思う。もちろん、CMなんて程度の差こそあれどれも洗脳みたいな方法を使ってるから、このCMが特に悪い!とは言えないのも確かだけど、でもやっぱり宜しくないと思う。と言うか怖い。ギャンブルだし。それに葡萄にも失礼だ。