ハナムグリのように

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曇りの夜について

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まるで何かのメタファーのようだけれど、別にそういう意図はない、ただの話。
普通の感覚で言えば「晴れ」は明るくて「曇り」は暗い。これは雲によって太陽光が遮られるか否か、といった事を考えるまでもなく、誰しもが持っている当然の感覚だと思う。 では夜の、それも賑やかな都心においても同じ感覚でいられるかと言ったら、決してそうではない。 寧ろ曇りの夜の都心は晴れた夜と比べると明るい。それはつまり、こういうこと。 
夜の都心はそれ自体が多くの光を発していて、晴れの場合はその光が直接空へと抜けていく。しかし曇りの場合では、その光は空へと抜けることができない。雲に遮られてしまうからだ。そして雲は光を遮るだけでなく、受けた光を反射することによって仄かに明るくなる。だから曇りの日の都心は夜が明るい。もちろん辺鄙な街では街自体が多くの光を発しないので、曇っていようと晴れていようと関係がない。夜が賑やかな町だけで起こる話。
曇りの夜は明るい。    
あまりにも当たり前すぎて普段は意識しないけど、改めて考えてみると逆説的で、どこかしら詩的な話。 でもないか。