去年のふりかえり 映画・音楽・本

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明けましておめでとうございます

 

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年が明ける前に2018年に聴いた音楽や観た映画、読んだ本などの振り返りをしようと思っていたのに、気がついたら2019年になっていた。たしか去年もそうだった。毎年同じことを言っている気がする。

2018年のうちにやろうと思っていたことが何も出来ていない。

そういう大人は大成しない。

 

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今年は少し時間ができたこともあって、例年になく映画を観たように思う。映画館にも足を運んだし、NetflixWOWOWオンデマンドを利用してPCやスマートフォンでも映画を見るようになった。そんな中、去年最後に見た作品は塚本晋也監督の時代劇『斬、』だった。

映画「斬、」オフィシャルサイト。塚本晋也監督作品 池松壮亮 蒼井優 出演 2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国公開!


映画『斬、』特報

塚本晋也監督の過去作を何一つ見ていない上に、この映画の情報を何も入れずに映画館で見たのだけれど、はっきり言ってしまうと「よくわからない」というのが正直な感想だった。鬼気迫る殺陣シーンや臨場感のある音響、明瞭なストーリーが80分という尺に収まっていて飽きることなく観れたものの、それでも意味深な演出や台詞が多すぎて、なんだか「よくわからない」という印象。

ただ、鑑賞後に一緒に映画を観た知人と喫茶店で感想を話し合ったのだけど、そこで知人から塚本晋也監督の前作が戦争映画だったと聞いて、あーなるほど、と腑に落ちるところがあった。そうかそうか、だからあの演出、台詞なのか、と。あれ、なんだか全てが繋がってくるぞ。

なるほど、これは現代日本の置かれている状況を投影している時代劇なのか。憲法9条の改正や沖縄の基地問題塚本晋也アメリカのメタファーだし、蒼井優の感情の変化は国民感情そのもの。だからこそ、ゴロツキとの立ち回りで蒼井優が犯されているのは意味があるし、池松壮亮はあんなに苦しそうに2回も自慰をしたのか(どんな映画だ)。武力を持つことの意味を考えさせられるし、そこから生まれる負の連鎖に胸を締め付けられる。全てのセリフが確かな意味を持つ。なるほど、そういうことだったのか。

と、合っているかも分からない答え合わせをしているうちに、この映画はとんでもない名作なんじゃないかと思えてきた。「よくわからない」なんてことはない。こんな深い内容が綺麗に80分に収まっているなんて、なんたるテクニック。

 

と、感動しているその一方で、鑑賞後に喫茶店で小一時間話し込まなければ良さが分からない映画というのはどうなのかとも思う。もちろんそれは自分の勘の鈍さがゆえに喫茶店での小一時間を必要としているだけであって、普通なら観ながらに理解することなのかもしれない。でもメタフォリカルな部分を意識しすぎると、映画のストーリーそのものに入り込めない気もするし。その辺りの匙加減ってすごく微妙だ。んー、映画って難しい。

 

なんて色々考えたけれど、この映画が素晴らしいのは間違いないし、何よりこれだけ考えさせられるんだから、それだけでも観る価値はあったと思う。映画に限らず考えることを求めてくる作品って魅力的だ。

 

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今年、音楽で個人的に刺さったのはNYにあるBig Crown Recordから出た作品群。知らなかったレーベルだけれど、ここから出ている7インチがどれもツボだった。まぁ7インチと言っても実際はApple Musicで聴いているんだけれど。


Bobby Oroza - Should I Take You Home - BC064-45 - Side B


Bobby Oroza - This Love Pt 1 - BC064-45 - Side A


Holy Hive - Blue Light - BC077-45 - Side B


Thee Lakesiders - Parachute


El Michels Affair feat. Lee Fields - Never Be Another You (Reggae Remix) - BC053-45 - Side A

どれもこれもゲキ渋。今年はBig Crown Recordの作品でプレイリストを作って、それをエンドレスで流してる時間が多かった。それ以外だとMr Twin Sisterの新譜もよく聴いたな。

 

邦楽はキリンジくるりサニーデイ・サービスなんかの昔から好きだったミュージシャンの新譜が相も変わらず良かった。でもそれ以外にも素敵な音楽が沢山。

 


冬にわかれて - なんにもいらない

今年一番のお気に入りアルバム。素敵。

 


折坂悠太 - さびしさ (Official Music Video)

いい曲。

 


カネコアヤノ - 祝日

ラメが目に入らないか心配になる。

 

あと新譜じゃないけれど、今年よく聴いたアルバムははNed Dohenyの「Ned Doheny」(1973)


Postcards From Hollywood - Ned Doheny

日本だと76年発表の『Hard Candy』がAORの名作として有名だけれど、その3年前に発表された1stアルバムがSSWモノとしてすごく好みだった。CSN&Y的なコーラスワークがダサかっこいいA面もさることながら、B面「Postcards from Hollywood」からのシンプルで物悲しい曲達は名曲揃い。特に「Postcards from Hollywood」は本当に名曲だと思う。

 

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本は正直あんまり読んでないのだけれど、記憶に残っているのは

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)
 

 柴田元幸さんが翻訳したポールオースターも何冊か読んだし、過去のエッセイ(「ケンブリッジ・サーカス」)も読んだから柴田さんの文章にはたくさん触れていた気がする。柴田さんが編集している雑誌「MONKEY」のバックナンバーも実は全部揃えてる。