海外の交通事情と映画の話

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先日、英誌エコノミストが発表した「世界で最も住みやすい都市ランキング」で、前年まで7年連続で首位だったメルボルン(オーストラリア)を抜いて、2018年はウィーン(オーストリア)が1位になった。今年ウィーンを観光した身としてはちょっと嬉しい。確かにウィーンは人も優しいし芸術に溢れているし、街の規模も丁度良いサイズ感でとても観光しやすい街だった。特に交通機関はすごく便利で市内の移動がとても楽だった印象がある。と言うより、便利すぎて最初はむしろ戸惑うくらいだった。
オーストリアへはチェコから列車で入国したのだけど、列車で国境を超えるのが初めてだったこともあって、ウィーンに着いて入国審査とかあるのかなぁ、ドイツ語だったら困るなぁ、なんてぼんやり思っていたのにこれがまったくの杞憂だった。ウィーンに到着して列車を降りてから改札を探して歩いていると、あろうことかそのまま駅の外に出てしまい、慌てて引き返すも改札はないという驚きの事態に。でもこの道が正規ルート。入国審査が無いのは大体の欧州間であれば当然らしいけれど(シェンゲン協定)、国際鉄道から降りた後に改札が無いのにはさすがに驚いた。これは地下鉄に関してもそう。
驚くことに市内を走る地下鉄の改札は、基本的には公園の入り口くらいの区分けしかされてない。自動改札は当然のように無い。横の方に切符を差し込むボックス(時刻が刻印される)が申し訳なさそうにあるけれど、そこに切符を差し込んでる人もほとんど見かけない。券売機はあるものの駅員は見当たらない。一応、車内で検札は行なっているらしいけれど、自分は3日間ウィーンにいて一度も検札されなかったし、されてる人も見かけなかった。トラム(路面電車)にいたっては、最後までチケットを買う場所すらわからなかった。
乗りたければ自由に乗って、降りたければ自由に降りて好きなところへ行けるのがウィーンの交通システム。住みやすい都市に選ばれるのも納得できる。このシステムは一見すると無賃乗車し放題だけれど、観光で訪れた人は最初に公共交通機関の3日通し券を買うだろうし、住んでる人は定期券を持ってる人がほとんどらしいし、さらに言えば駅員の数が少なくて済むからコスト面で考えても理にかなったシステムなのかもしれない。自動改札を設置しなくてもいいし。このシステム日本にも導入してほしいけど、さすがに無理だよなぁ。朝の通勤ラッシュ車内で検札するとか現実的じゃないか。

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ウィーンといえば。
前のブログで「ミッションインポッシブル」を観に行きたい、と書いていたけれど、映画館に観に行く前に過去作をおさらいしようと前作「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」をamazonビデオで観ていたら、ウィーンのシーンがあってテンションが上がった。しかもウィーン国立歌劇場が舞台になっていて、ここは数ヶ月前に中にも入ったところ。なんだろう、この観ている映画に行ったことのある場所が出てくるワクワク感。ウィーンなんてテレビ画面越しには今後何度も目にする街だろうけれど、実際行ったことあるってだけでテンションが上がってしまうから不思議。
で、そんなテンションが上がった状態で新作「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」を見に行ったら、今度はロンドンが舞台になっていて、あー!テートモダン行ったことあるー!とまたテンションが上がってしまった。一年前までは海外に行ったことがなかったから気がつかなかったけれど、なるほど、海外旅行をするとこんな映画の楽しみ方もできるのかと新しい発見だった。ちなみに「キングコング:髑髏島の巨神」は、去年行ったベトナムハロン湾で撮影されてるし、「ボーン・レガシー」の最後のシーンは話の中ではフィリピンだけれど、これも多分ハロン湾で撮影してる。「ボーン・レガシー」の方は知らずに見ていたからテンションあがったなぁ。
それにしても映画の趣味が小学生みたいだ。特に最近は頭を空っぽにして見られるエンタメ映画ばかり観てる気がする。

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前のブログで「カメラを止めるな!」と「万引き家族」を観たことについて、凄く良かった、としか書かなかったので、少しだけ感想を。「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」についても。



ミッション:インポッシブル/フォールアウト」
このシリーズは昔から吹き替えで見ていたから今回も吹き替えで鑑賞。今作の重要人物であるCIAの凄腕エージェントの喋りがやけにモタっとしていて、と言うかはっきり言うと全然凄腕エージェントじゃない間の抜けた喋り方で、なんだろうなぁと思っていたら最後のクレジットにDAIGOと書いてあって納得。あー思い返したら確かに竹下元総理の孫DAIGOの声だった。でも、なんでこのキャスティングなんだろう。話題作りや大人の事情で吹き替えにタレントを差し込むことに文句を言うつもりはないけれど、選定を誤るとどっちも得しない気がする。
でも映画自体は面白かった。そんなことあるか?!と突っ込むのはもはや野暮で、大きなスクリーン、そして大きな音で豪快なアクションを楽しむ事が出来れば、それ以上は何も求めなくて良いと思う。



万引き家族
少し前に中国版のポスターが素晴らしいと話題になっていたけれど(→)、2枚あるポスターのうち本編では映っていない花火が全面に描かれているポスターに実はちょっと疑問を抱いた。デザインは素敵だけれど綺麗な花火を描いて「花火を楽しむ幸せな家族」っぽい絵にしてしまうのはちょっと違うんじゃ無いかな、と。だってこの映画は花火(=華やかな表の世界)を観ることが出来ない場所で暮らす人達の物語だから。音は聞こえるけれど、それを観ることはできない。観るために外へ出るわけでもなく、樹木希林にいたっては「昔観に行ったけれど‥」と花火にもはや興味すら示さない。観えない花火によって彼らの生き方を表現している重要なシーンだから、花火は描かれないことに意味があるんじゃないかなぁ、って、あれ、これは映画の感想じゃないな。



カメラを止めるな!
この鑑賞後の気持ち良さって何なんだろうかと自分なりに考えた結果、「フリ→オチ」と「伏線→回収」という二つの気持ち良くなる要素を同時に昇華してることが、この映画の特筆すべき気持ち良いポイントなんじゃないかと勝手に結論。この映画はざっくりと3部構成になっていて(エンドロールを含めると4部構成)、第1部で伏線を張り、第2部でフリをして、第3部では2部のフリに対するオチで1部の伏線を回収するという巧みな構成になっているのがポイント。気持ち良さのコンボが成立してる。しかも「フリ」「オチ」「伏線」「回収」の全てが単体でボケとして機能していて、さらにはこの映画は基本的にその4つの要素しかないことも気持ちいいポイントなんじゃないか。
と、書いてはみたものの、これは本作を観ていない人にはさっぱりピンとこない話。世間では、ネタバレせずにいかにこの映画の面白さを伝えられるかが一種のゲームみたくなってる気がするけれど、そうさせるのもこの映画のパワーなんだろうなぁ。いい映画。