ハナムグリのように

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スコティッシュフォールドの真実

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映画館に行かない生活が何年も続いていたのに、ここ最近は決して頻度は高くないものの定期的に映画館に足を運んでる。定額制配信サイトで映画を大量に観ることが出来るこの時代に、その月額の倍近い値段を払ってしかも大きいスクリーンでポップコーンを食べながら観る贅沢な嗜みの、その素晴らしさを齢30を超えてやっと理解してきた。これは多分、ストリーミング全盛の時代にレコードが再評価されているのと同じ仕組み。カウンターであり新鮮さ、全く別のメディアだからこそ見えてくる活路、というか、別の楽しみ方。
作品と媒体の関係性は思った以上に深くて、媒体が変われば作品の楽しみ方も変わってくる。その振り幅が大きければ大きいほど楽しみ方は増えるし、作られる作品の幅も広がるだろうから、メディアが多様化していくのは良い事なのかもしれない。(が、危惧しなきゃいけない面も多々あると思ってる)

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ちなみに最近は『万引き家族』と『カメラを止めるな!』というミーハー丸出しな映画鑑賞をしているけれど、どちらも凄く良かった。次は『ミッションインポッシブル』が観たい。

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先日、映画上映までの空いた時間に、知り合いと何気なくペットショップへ行ったのだけど、そこで知人から聞いた話が衝撃だった。スコティッシュフォールドの話。


言わずと知れた、折れ耳が超絶可愛い猫スコティッシュフォールドについての衝撃の真実。
スコティッシュフィールドの最大の特徴である折れ曲がった耳は「軟骨異形成」という遺伝的疾患で、50年前にスコットランドで生まれたその疾患猫を人為的に掛け合わせて作られたのが現在ペットショップで目にする可愛らしいスコティッシュフォールド。「軟骨異形成」は当然耳以外にも影響が出るもので、耳が折れているスコはほぼ100%の確率で何らかの障害があるという。具体的には、しっぽの硬直、手根骨や足根骨の不整列、関節軟骨の不全などで、それらは一生涯、猫に痛みを与え続けることになる。スコティッシュフォールドの特徴である、後ろ足を前に投げ出したいわゆる「スコ座り」も後ろ足に体重をかけると痛いからあの姿勢になっているらしい。辛すぎる。人間が意図的に繁殖させた疾患のある猫の、その疾患である耳や座り方を指差して「可愛い」「癒される」なんて言う残酷さ。そして猫たちの受ける痛みに目を向けない身勝手さ。原産国であるイギリスでは動物愛護の観点から繁殖が禁止されているらしいけれど、日本やその他の輸出先の国では禁止されていない。
調べてみるとペットの人工交配による障害は猫だけに止まらない。例えばブルドッグは人工交配を繰り返した結果、愛らしいルックスの代償として、高い確率で皮膚の病気や呼吸障害を起こし、さらには骨格的に自然分娩も出来ない品種になっている。
ブリーダーたちは「珍しい毛色が売れるから」といった理由だけで無理な近親交配させて、障害のある犬を生み出している。耳の聞こえないダックスフント、両目のないチワワ、脳に障害がありその場で回り続ける柴犬。これらの売り物にならない犬がどうなるかなんて容易に想像がつく。
人間って本当に残酷だ。徳川綱吉がこの現状を知ったら発狂するかもしれない。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm816927

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先日8月8日が「世界猫の日」ということで、昔飼っていた猫(と言っても家猫でなく、野良猫が住み着いただけ)の写真を眺めていたのだけれど、悲しいかな、記憶の中では可愛かったのに今になって見返すと全然可愛くない。ブサ可愛い、ではなく、ただのブサイク。
でもまぁ、それで良いのかもしれない。それでも当時は充分可愛く思えていたわけだし、可愛い容姿を求め過ぎると先述したような弊害が出てしまうのだし。どんな容姿であれ、そこに愛しさを感じられる心が持てれば最強なんだと思う。