ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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やりたいことが沢山あるのに、それらを実際行動に起こそうとすると全然気分が乗らないのはどうしたものか。
季節のせいなのか。  なんて、なんでも季節や天気のせいにしてしまうのは僕の悪い癖。

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起床。 台風。 敬老の日

天気予報は統計学だから今年のように記録的な猛暑が続いてしまうと統計的に天気を導きだすのが難しい。だから天気予報が外れる事もしばしば、なんて話を聞く事がある。だから数十年に一度の大雨だとニュースで報じていても、そんなの大袈裟じゃない?と思っていたけれど、たしかにニュースの映像を見る限り、地域によっては大変な事になっている。この街も天気予報通りでそれなりに豪雨。台風による風の影響もあって横殴りの豪雨。雨粒が窓を叩く音が部屋に響く。天気予報は大当たり。仕事に行くのが面倒だなと思うも、まぁこれでご飯を食べているのだから仕方ない。

出勤。職場までは徒歩10分弱なので、どうせ誰にも合わないだろうから革靴をビニール袋に入れ、スーツの裾は捲し上げ、クロックスを履いて出勤。新鮮。午前中はグダグダ仕事。
午後、台風一過。朝の雨、風が嘘のように晴れわたる。
昼下がり、ひょんなことからいらぬ正義感を出してしまって街中を外国人と追いかけっこすることに。追うのが自分で、追われるのが外国人。久々の全力疾走。体力には自信がないけれど、たいしたもので300メートルほどでどうにか追いついて確保。のつもりが、逆に落ちていた角材で頭を殴られる。一度殴られたら止めれば良いものを懲りずに何度も捕まえようとするからその度に頭をボカボカ殴られる。覚えてる限りで左側頭部に2発、右後頭部に1発、左腕に1発。角材で殴られたにしては大した怪我はなかったけれど(理由は後で判明する)、結局その外国人には逃げられてしまう。ジャッキーチェンの映画ならば正義の味方は必ず勝つはずなのに、現実は得てしてこんなもの。ださい。
さらに映画やドラマであればこのまま翌日のシーンに切り替わったりするのに、ここはやっぱり現実。実に面倒くさい作業が待っている。勤務中なので職場、上司へ報告。祝日でも休日診療してくれる病院を探して治療してもらったり、その後は警察に行って事情聴取だ被害届だ犯人のモンタージュ作成だ現場検証だと色々。その間、当然仕事もできない訳だからやるべきことも溜まっていって、しかも翌日の朝には本社へ事の経過を報告する為の報告書も書けと言われているし、労災の申請もしなきゃいけないしで、心底面倒くさい。
その日は夜の9時に解放されて帰宅。また後日警察に行って調書をとったりする予定。
小さいコンビニ弁当で軽く夕食を済ませて、シャワーを浴びる。シャワーから出てくると、一日中気を張っていたせいか、どっと眠気に襲われる。就寝。最悪の一日。敬老の日
そういえば僕が小学生の頃に亡くなった祖父は警察官だった。
警察官て日常的にこんなことをしているんだろうか。おじいちゃん、すごいな。尊敬するよ。

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実況見分で僕を殴った角材も見つかったので思わず「写真とって良いですか?」と確認して携帯で写真を撮らせてもらう。50cmほどある樫の木の角材。警察からも、これで殴られてよく軽症ですみましたね、と言われる。たしかに固くしっかりした角材で、こんなんで殴られたらただじゃ済まない気がする。
翌日、不思議に思ってwikipediaで樫の木について調べると、あぁなるほど、なんとなく理由が分かる。それは二つの偶然によるもの。
一つ目は朝の台風。明け方から降り続いた大雨で角材が充分に湿って柔らかくなっていた事。そして二つ目は樫の特性。樫の木は固く耐久性もある事から優れた用材として使われるが、一方で「乾燥しにくい」という欠点がある。それが良かった。おかげで湿った角材が午後の晴天の中でも乾ききらずに柔らかさを保持していたんだと思う。それで殴られたから軽症で済んだ。
そう考えると少しゾッとする。あの日、もし台風が来てなかったら、とか。落ちていたのが樫の角材じゃなかったら、とか考えると恐ろしくなる。最悪、こんな風にブログを書く事も出来なかったかもしれない。

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警察署にいる間、こんな地方の警察署なのにそれなりに職員も慌ただしく動いているので「退屈のしない職場ですね」と冗談まじりに言うと、笑いながら「そうですね。悪い奴は減らないですからね。」と50歳くらいの刑事部長さんが答えてくれる。「私も警察になったばかりの頃は悪い奴を捕まえれば犯罪者は減って、世の中は平和になると思ってたんですけれどね。悪い奴は減らないですよ。捕まえても捕まえても次の悪い奴がでてくる」と言う。「そうでしょうね」と僕も答えるけれど、本当にそうかな、とも思う。刑事さんの言ってる事は間違ってないけれど、考え方はちょっと違うんじゃないかと思う。
悪い奴が減らないのは、まぁきっとその通り。僕が思うに社会が捉える「悪」は相対評価としての「悪」だからその社会や時代において何%かは否が応でも「悪」として捉えられてしまう。仮にその何%かの「悪」を排除しても、残った中での何%かは相対評価で「悪」になる。だから数は減らない。ただ「悪」の程度は変わる。警察がどれだけ「悪」を捕まえようが悪い奴らなんて切りがないけれど、それを繰り返せば「悪」の程度は低くなるし、治安を良くするってのはつまりそういう事なんだと思う。それが警察の役目。だからさ、まぁ腐らずに、頑張って下さいと思う。

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Dent May / Warm Blanket

Warm Blanket

Warm Blanket

1枚アルバムを出したら次のアルバムまで3〜4年あくことがザラの現代音楽シーンにおいて1年のスパンでリリースしてくれるのは嬉しい限り。相変わらずのエンドオブサマー感。この飄々として、どことなく間の抜けたポップセンスに憧れる。