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雨上がり、街が蒸し暑さに包まれるのではなく、涼しい風が吹き抜けるようになった。
夏ももう峠を越えたんだな、と思う。
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起床。コーヒー。昨夜の雨の足跡。
休日にしては久々の早起きで、朝から外出。前から行きたかったクレマチスの丘へ。
クレマチスの丘はベルーナ・ビュフェ美術館、ヴァンジ彫刻美術館、IZU PHOTO MUSEUMなどが隣接している複合施設で、今はIZU PHOTO MUSEUMでは古屋誠一さんなどのコレクション展、ビュフェこども美術館では荒井良二さんの原画展が開催中。開催期間中に行きたいと思っていたので行けてよかった(こういう企画展はたいてい開催期間が終了してから開催していた事に気がつくものだ)。もちろん企画展以外の常設展示も素敵で、もともとビュフェにもヴァンジにも興味があったわけではないけれど、というかそもそも名前すら知らなかったけれど、それでも十分楽しめた。普段、芸術には縁遠い生活を送っているなかで、たまにはこんな休日も大事。
最後に立ち寄ったビュフェこども美術館には親子がくつろげるレストルームがあって、そこには絵本も沢山。絵本棚を何気なく眺めていると中に「地球」という絵本を見つけて思わずあっと声を出してしまう。なつかしい絵本。正直、今ここで目にするまでは昔読んだ事すら忘れていたけれど、子供の頃に食い入るように見た絵本。すごく懐かしい気持ちになる。来てよかったと心底思う。
後、コンビニに寄って帰宅。
夜、知り合いに手紙を書く。数日前から書き途中だった手紙の続き。
書きたい事がまとめられなくて、諦めて就寝。
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久しぶりに知り合いへ手紙を書きながら、手紙ってつくづく良いなぁと思う。決して手紙を書く機会は多くないけれど、手紙は送るのも貰うのも好きだ。
伝えたい事があるのなら電子メールで事はすむ。その方が間違いなく早いし簡単。でも手紙には電子メールにはない情愛みたいなものがある。それは電子メールじゃ伝わらない。相手が自分の為に時間をかけ気持ちを文章にしたためてくれる、その行為自体に意味があったりする。
先日、伊集院光がラジオで喋っていたて「古事記」の話はこれに似ているのかもしれない。「古事記」で歴史がまとめられる以前、歴史は「語り」によって残されていた。だからそれら伝える「語り部」という職業があって、その語り部が歴史を代々伝えて来た。ただし「語り」が「文字」に変わった事によってニュアンスは絶対に変わってしまう。「文字」によって伝わる事も多いけれど「語り」でしか伝わらないものも絶対にある。みたいな話。
手紙も同じで、例えば同じ文章にしても携帯電話に届いた電子メールとポストに投函された手紙では伝わり方が全然違うものだと思う。それが謝罪文であれ恋文であれ、手紙の方が深く相手に届く。もちろん、だから電子メールは駄目だって話ではなく、手紙と電子メールはまったく別のメディアなんだって話。当然だけれど電子メールは手紙の「代替」ではない。あくまでも「一部を代替することができる」程度のもの。
先に絵本の話も出たからついでに書いてしまうと、絵本なんかは代替のきかないメディアの筆頭として挙げられると思う。僕が絵本に興味を引かれるのきっと絵本のそういったと性質故かもしれない。近年、書籍の電子化が進んでタブレットで本を読むなんて事も珍しくはないけれど、絵本に関しては電子化がきっと難しい。絵本は子供が実際手で触ってページをめくり感じ取ることが重要で、それはタブレットでは代用がきかない。お母さんの声で読み聴かせてもらい一緒にページをめくって、たまに噛んでみたり、はたまた落書きしたり破れちゃったりするのが絵本。それが出来るのが極論かもしれないれど子供の読む絵本の本質なんだと思う。
だから少し前にYouTubeにアップされて話題になった、赤ちゃんが雑誌をiPadのようにフリックする動画を見たとき、なんとも言えない嫌悪感を覚えてしまった。ちょっと怖くなる。
進歩して便利になっていると勘違いして忘れてしまったものが、たぶん過去にも沢山あったんだろうなんて思う。
「世の中に進歩するものなんてありゃしないよ。すべてのものは変化するだけさ。」という小林秀雄の言葉を思い出す。
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- 作者: 長田弘,荒井良二
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荒井良二さんは絵も言葉も素敵だけれど、この「森の絵本」は言葉を詩人の長田弘さんが担当。素敵なコラボ。ちょっと大人向け。「クッキーの すてきな においを わすれてはいけない」というフレーズが好き。
地球-その中をさぐろう / 加古里子
- 作者: 加古里子
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