ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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人生に絶望するほど人生をよく知らない
殆どの人がそうだと思う

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起床。久々に蒸し暑い朝。コーラを一杯。
出勤。朝から体が重い。軽く目眩も。これは風邪?いや、もしかして熱中症?なんて思いながら仕事。たしかに水分もあまり捕ってないし、家では多少暑くてもクーラーをかけないので、それが良くなかったのかもしれない。ふらふらしながら終業。スポーツドリンクを買って帰宅。明日は休み。早めの就寝。
起床。クーラーをつけて二度寝。そして軽く昼食をとって三度寝。
念のため市販の風邪薬も飲んで、快適な部屋で好きな音楽を聴きながらまったり。読みかけの本をぱらぱら読んで、うたたねしたり。贅沢だな、と思う。体調も良くなる。やっぱり熱中症だったのかしら。


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モンゴルで放牧されている羊の群れの中にはヤギが数頭混ざっているという。それにはちゃんと理由があって、羊はひとつの場所で草を食べきっても次の場所へ移動しないので、羊単体で放牧していると痩せ細ってしまうらしい。一方ヤギは草を食べきれば次の場所へ移動して羊を先導してくれるので、羊の群れの中には意図的にヤギを数頭放しているのだという。
これはドキュメンタリー映画監督の森達也さんが、集団の停滞した思想(麻痺した思想?適切な言葉が思いつかない)の中においてクリティカルな視点を持つ事は大事、といった意味合いでよく例に出している話。
自分もある程度大人になって社会、会社の一員として生きていると、この考えの大切さを痛切に感じることがある。そして大人になるにつれて、自分の心の中のヤギが少なくなっていることにも気付く。この社会で大人になるってことは、あるいはそういうことなのかもしれない。ヤギを持っていない方が大人の社会は生き易い。
所属する集団が大きくなればなるほど価値観や倫理観は麻痺し易いし、それに気付く事も難しくなる。その事実はいつまでも忘れたくないと思う。ヤギを失った大人になりたくない。自分はヤギを秘めたまま大人になれるんだろうか。


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夏が来たので夏っぽいアルバムを聴いてる。


大貫妙子 / Sunshower

SUNSHOWER

SUNSHOWER

サマーセーターを着た大貫妙子さんが素敵なジャケットも相まってOPの「サマーコネクション」が流れ出したその瞬間から夏。他にも名曲「都会」やランタンパレードがサンプリングした「くすりをたくさん」など聴き所満載。77年という時代感が一周か二周くらい回って今、自分にはすごく新鮮に聞こえる。いいアルバム。坂本龍一プロデュース。



吉田美奈子 / Twilight Zone

Twilight Zone

Twilight Zone

大貫妙子さんがSunshowerを発表した77年には吉田美奈子さんも素敵なアルバムを出していて、それがTwilightZone。名前がダサイ。曲名も「恋は流星」とかお世辞にもカッコいいとは言えないけれど、曲自体は全編を通してすごくカッコいい。ほんとにカッコいい。前作が大瀧詠一山下達郎の曲を歌っていたのに対して、このアルバムでは一転して全曲自身の作詞作曲。自分の歌いたい歌はこれ!という気持ちの表れか、派手さは無いけれど熱量の高い素敵なアルバム。山下達郎との共同プロデュース。



佐藤奈々子 / ファニー・ウォーキン

ファニー・ウォーキン(紙ジャケット仕様)

ファニー・ウォーキン(紙ジャケット仕様)

二年くらい前から知り合いに勧められていて、最近ようやく買った佐藤奈々子のファーストアルバムも77年の作品。とびきりキュートでセクシーなウィスパーボイスに完成度の高い楽曲、アレンジ。あまり有名でないのが不思議なくらいの良作。共同作曲者に佐野元春


もういい年齢だけど(息子はGREAT3のベースだ)いまだにカッコいい。

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いつ聴いても変わらない普遍的な音楽=素晴らしい、みたいな考えは確かに一理あるとしても、時代と添い寝したような、その時代だからこその感性とサウンドで作られた音楽もまた、同じように素晴らしい。だから自分は音楽を時代で切り取って聴くのが好き。それぞれの関連性や時代背景なんかも見えてきて楽しい。