ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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春がきて海がエメラルドグリーンに染まる。
きっとそれは暖かい海流が駿河湾に流れ込んできてプランクトンが多くなったとか、たぶんそんな理由じゃないかと思う。海のある街に暮らす人にとっては当たり前の事かもしれない、こんな春の風景がとても新鮮に思える。
この街に越してきて、気付けばもう半年以上が経つ。 

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起床。天気が良いので朝からもりもり洗濯。トーストで簡単に朝食を済まして昼前に家を出る。本当に何も無い街なので、目的も無く自転車で出かけるとかなり高い確率で海に行ってしまう。今日も海へ。


途中の道すがら至る所で春の匂いがする。でも、この春の匂いって何の匂いなんだろうかと考える。具体的にあの匂いというのは思い浮かばない。春と同じように夏の匂いや秋の匂い、冬の匂いなんてのもあるけれど、どれも抽象的なぼんやりとしたイメージでしかない。あの季節ごとの匂いは結局は何なんだろう。と考えるに、あれは「なんでも」なんじゃないか、と思う。その季節その季節で出てくる物であればなんでもがその季節の匂い。それを頭の中で春夏秋冬に分類して記憶しているのかもしれない。例えば麦茶やムヒの匂いは夏の匂いだし、枯れた草木の匂いは冬の匂いだ。そして今は春の匂いがする。それは菜の花かもしれないし、別の花々かもしれない。それが頭の中で四分類に判断される。あっ、これ春の匂い。って。
春の匂いはワクワクする。それはもう、走り出したくなるくらいに。


そして、海。 防波堤上の道に登ると海が一面エメラルドグリーンに染まっていてちょっと感動。季節によって海の色が違うなんて今までは考えた事も無かった。海がエメラルドグリーンに染まる。春の匂いがする。そういったことで季節を感じるのはとても健全な事だと思う。普段、アパートと職場の往復しかしていないと、新しい期が始まったとか、顧客の動向とか、そんなカレンダー頼りの事でしか季節を感じれなくなってしまいかねない。それって怖いし、悲しいと思う。
季節には敏感でいたい。