ハナムグリのように

日々のあわ 思ったこと、聴いた音楽や読んだ本のことなどを

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うかうかしていたら、きっと夏なんてすぐに終わってしまって、また秋がやってきて、ってそんな繰り返し。僕はいつも置いてけぼりをくらう。それが怖くて、不安で仕方ないのに、それなのにこの生活は居心地が悪くなくて、それが悔しい。

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起床。出勤。駅で毎朝見かけるホームレスはもう夏だというのにいまだにダウンジャケットを着ている。そして何故だか耳に綿を詰めている。本当に現世の人なのか少しだけ不安になる。
「あれ、髪型変えた?」「そうそう、そうなんだよ、変?」「いや、可愛い」「カッコいい、じゃなくて?」「うん、かっこ良くはない。かわいい」女の子に面と向かって「かっこ良くない」と言われるとそれなりにへこむ。それくらい健康な心を持っているんだなぁ、と気づく。
夕方、昔のバイトの先輩が僕に会いにきた。たいした用はないけれどね、風の噂でここにいるって聞いたから、と言って本当に顔を見て少し立ち話をしただけで帰っていった。会うのは2、3年ぶり、いや、もっとか。なんにも変わってなかった。たぶんそれはお互いに。
W杯日本代表の試合が仕事で観られなくて、家に帰ってから録画を観よう、それまでは試合結果の情報は遮断しよう、と思っていたのに駅で若い兄ちゃんが「日本負けたなー」と喋っているのが聴こえてしまう。いやーん。観る気がなくなってしまった。(あれから2日経つけれど録画もスポーツニュースも見てない)
帰宅。深夜、思いがけずお腹を下す。明け方、就寝。


昼過ぎに起床。せっかくの休日なのに空模様が不安定でお出かけも出来やしない。家でごろごろ過ごす。部屋の掃除や、CDラックの整理。この作業はきっと終わらない。
夕方、知り合いとお茶をしにいく。つい先日まで奄美大島にいっていたそうで、そのお土産話をきかせてもらう。良いところみたいだ。住みたくなる。彼もそう思っていたようで奄美大島ハローワークに仕事斡旋の登録してきたらしい。携帯に就職情報が届くんだよ、と言っていたけれど届くのは何百キロも離れた亜熱帯の島の就職情報だ。意味ないじゃん。まぁお金が貯まったら仕事を辞めて奄美大島へ移住しようと計画しているそうなので若干気が早い気もするけれど別に問題はないか。それにしてもいいなぁ。奄美大島に移住かぁ。それって大胆な行動だけれど、実際問題、彼には(そして僕にも)守るべき物なんて何一つないし、今の仕事を辞めたところで誰かに文句を言われる訳でもないのだから。それくらい若さを有効利用したって良いんだろうな。(そう、そしてそれは僕に言える事なんだ!)
夜、バンドの練習。久々に足下のエフェクターにビッグマフを加える。ちなみにビッグマフってのは音を節操もなく歪ませるエフェクター。僕は自分以外のベーシストでこんな下品なビッグマフの使い方をしている人を見た事がない。それくらい下品に僕はこのエフェクターを踏む。
帰宅。入浴。就寝。


起床。今日も空が愚図ついている。本格的に梅雨になったみたい。湿度が高くなると頭痛になりやすくなる体質だから、これは困った季節だ。
出勤。だらだらと働いて終業。まだ外が明るい。帰り、いつもの駅とは真逆の方向へ歩いてみる。いってもここは町だから歩けば何かしら駅はある。問題はない。知らない町を歩くのは楽しい。目に映るすべてが新鮮だ。毎日同じ道を歩いて同じ仕事しているだけじゃ味わえない感覚がある。知らない事だらけで全てが興味深く思えた子供の頃を思い出す。この感覚ってきっと、誰かを好きになる感覚とか、映画や音楽なんかを素敵だと思う感覚と同じくらい大切で忘れちゃいけない感覚だと思う。
帰宅。変な時間に寝てしまって、目が覚めたのは午前四時。薄暗い部屋でこれを書いて、荒井由美の初期ベストを小音量で流してる。